2007年11月19日 Monday 更新
妊娠中に、職場検診などで血液検査を受けて、異常値が出て心配される方がいらっしゃいます。妊娠中は、からだの変化に伴い、血液検査の種類によっては正常値が変わってくるものもありますので注意が必要です。
まず、貧血の指標となる赤血球数や血色素量(ヘモグロビン)です。妊娠中は、体内の血液の量が増えますが、血漿成分の増加に比べ、赤血球数の増加が伴わず、みかけ上、貧血が進みます。非妊時ですと、ヘモグロビンの正常値は、11,2g/dl以上(当院検査)ですが、妊娠中は、10,5g/dl以上を正常とみて、それ以下の場合に治療を行っています。
白血球数は、妊娠中は若干増加し、非妊時は9700/μlまでが正常ですが、妊娠中は12000/μlくらいまでを正常とみてよいでしょう。
また、総コレステロールや、中性脂肪は、妊娠中は上昇しますので、再検査をするのであれば、産後に行ってください。
一方、肝機能や腎機能は、妊娠に伴っては変化しませんので、これらに異常がでた場合は妊娠高血圧症候群等の疑いもありますので、すぐに知らせてください。

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