2007年05月21日 Monday 更新
産婦人科領域の病気に対する治療として、漢方薬がしばしば用いられます。特に、更年期障害や月経困難症に対して、通常の西洋薬ではあまり効果があらわれなかったのに、漢方薬が非常によく効いたということがあります。そこで、今回と次回は、漢方薬の基本的なことを述べてみます。
まず、現在の漢方医療とは、中国の伝統医学が日本に移入され、日本的に改良、修飾されたものです。
漢方薬は、植物を主体とした生薬を通常4種類以上組み合わせてつくられています。
そして、漢方薬を決める際には、その人の体質(虚実:体質が強いか弱いか)、生命反応(陰陽:代謝が亢進しているか、低下しているか)、体内を循環している3要素(気、血、水)の状態を把握(診断)し、その人それぞれに応じた処方となります。したがって、西洋医学的には同じ病名でも、人によって薬がちがってくることがありますし、逆に1人の人に2つ以上の異なる病気があっても、一つの漢方薬で治療できることもあります。また、長期間服用していく場合に、体質の変化に応じてその時々に処方が変わることもあります。
服用の時期については、一般には食前に服薬しますが、食前に飲めない場合は食後の内服も可能です。
また、漢方薬には副作用がないと思われている方がいるかもしれませんが、体質の診断を間違えたり、過剰投与や他の薬との併用で副作用がでることもありますから、注意が必要です。

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