先天性難聴は、早期に発見し、早期に訓練、指導をはじめることによって、良好な言語発達が得られます。当院では平成14年6月より新生児聴覚スクリーニングを開始し、早期発見に努めています。
検査は希望制ですが、これまで約1350人の赤ちゃんが検査を受け(受検率は94%)ています。そのうち3人の赤ちゃんが、精密検査が必要となりましたが、精密検査では異常なく、難聴と診断された赤ちゃんはいません。
先天性難聴は、1000人に1~2人の頻度でみられ、検査を受けなければ通常“ことばのおくれ”などにより2歳以降に発見される例がほとんどです。しかし、早期に発見し生後6ヶ月頃より養育が開始されれば、聴覚障害による影響が最小限におさえられ、コミュニケーションや言語の発達が促進され、社会参加が容易になります。
当院でのスクリーニング検査で精密検査が必要となった場合は、当院の近隣のふじわら耳鼻科医院の藤原満先生が、検査の意味やその後の精密検査等についての説明を含めフォローアップをしてくださいます。
現在ほとんどの皆さんが受けている先天性代謝異常の検査は、最も頻度の高い先天性甲状腺機能低下症でも5000人に1人の割合です。それに比べ、新生児聴覚障害の頻度は格段に高いので、ぜひ検査を受けましょう。