出産前後を実家でリラックスして過ごしたい。上の子の面倒をみてもらいたい。等の理由で、里帰り出産を希望される方が、少なからずいらっしゃいます。当院でも、約一割の方が里帰り出産です。
里帰り出産には、上記のようなメリットがありますが、また反面デメリットもあります。それは、やはり妊娠経過中の情報が、里帰り先の病医院に確実に伝わらないことがあること。また、里帰り先の病医院のスタッフとのコミュニケーションが不足しがちだということです。当然、里帰りの際には、前医より、それまでの妊娠経過について紹介状を書いてもらい、里帰り先への情報提供がなされますが、書面には書き尽くせない事もあります。また、里帰りの時期が遅れたり、予定日より早く陣痛がきたりすると、里帰り後、1~2回健診を受けただけで、コミュニケーション不足のまま入院になることもあります。
そこで、このようなデメリットを少しでも解消するため、以下のことをお勧めします。
まず、妊娠の安定期に、里帰り先で一度健診を受けておくこと。里帰りの時期については、里帰り先の先生と相談し、遅くならないようにすることです。当院では、遅くとも34~35週より、当院で健診を受けるようにお話ししています。そして、里帰り先の病医院のお産の考え方や、治療方針を早めに知っておいてください。こうして、里帰りの不安を少しでも減らしてお産にのぞみましょう。