妊娠高血圧症候群とは聞きなれない言葉ですが、皆さん御存知の妊娠中毒症という病気の名称が、本年4月に妊娠高血圧症候群という名称に変更されました。アメリカではすでに Toxemia(妊娠中毒症)の名称が、PIH(Pregnancy Induced Hypertension:妊娠によって引きおこされる高血圧)に変更されていましたが、日本でもこのたび変更となりました。これは妊娠中毒症の、高血圧・蛋白尿・浮腫という3つの主な徴候のうち高血圧が主体となる病態で、他の症状は付随的なものという考えに基づいています。ただ名称が変わったからといって病気自体が変わってきたわけではありません。
今になって名前が変わることからもわかるように、妊娠高血圧症候群の病態はまだ不明なところが多く、したがって根本的な治療法がないのが現状です。
ですから、妊娠高血圧症候群は発症の予防が一番大事で、普段から規則正しい生活と食事の管理、そして軽度の運動を心がけてください。