昨年より、風疹の発生件数が増え、今年は、昨年をさらに上回るペースで増加しています。特に首都圏での発生が多いようですが、ここにきて、新潟県内、そして上越市でも風疹にり患した人が出たとの報告がありました。風疹自体は、命にかかわるような病気ではありませんが、妊婦さんが感染すると、胎児に、難聴や心疾患、白内障や緑内障などの障害をきたす先天性風疹症候群が発生する可能性があります。特に、妊娠の早期にかかると、その可能性が高くなります。

当院では、妊娠10週前後の最初の妊婦健診時に、風疹抗体の検査をしています。抗体のない人や、抗体価の低い（ＨＩ抗体価16倍以下）人は、風疹患者に接触しないよう、注意が必要です。もうすぐゴールデンウィークですが、この時期、人の移動が増え、感染症が一気に広がるおそれがあります。抗体のない人や抗体価の低い人は、なるべく人込みを避け、無用な外出は控えてください。特に、東京方面への旅行は控えてください。

感染症は、風疹ばかりではありません。中国では、鳥インフルエンザの人への感染が発生し、しかも、高い死亡率を示しています。妊婦さんのみならず、ゴールデンウィーク中に旅行を計画している人は、こういった感染症情報に十分注意して行動してください。