2016年02月15日 Monday 更新
【 No.373 ジカ熱】
このところ、中南米(メキシコ、ブラジルなど)を中心にジカ熱が流行し、特に妊婦さんへの感染が、赤ちゃんの小頭症を発症する可能性が疑われています。 ジカ熱は、ウィルスを持った蚊に刺されることによっておこる感染症で、潜伏期は2~12日程です。症状としては、発熱、発疹、頭痛、関節痛、目の充血などですが、症状がまったくないことも多く、あっても軽くすむことがほとんどです。ただ、流行地で、妊娠中にジカ熱にかかった妊婦さんから生まれた赤ちゃんに、小頭症の発症が多くみられ、ジカ熱ウィルスによる影響が強く疑われています。また、妊娠中のどの時期に感染しても影響があるようですが、感染したらどの程度の頻度で発症するかなど詳しいことは現在調査中です。 感染経路は、ほとんどが、ウィルスを持った蚊に刺されることによるもので、輸血や性交渉による感染の報告もありますが、インフルエンザのように、飛沫感染や経口感染はなさそうです。現在のところ、 ワクチンや有効な治療薬はありません。日本国内では、まだ感染の報告はありませんが、海外で感染して、帰国してから発症した例はあります。したがって、唯一の予防法は流行地で蚊に刺されないことです。ですから、今年のブラジルでのオリンピック観戦などは控えてください。 |