2020年02月03日 Monday 更新
長時間労働による過労死、仕事の精神的ストレスによる自殺の増加が社会問題となり、今我が国では、“働き方改革”が法の整備とともに進められています。ただ、医療の場においては、今すぐ医師の長時間労働に対して上限規制が導入されては、医療現場は混乱し、現在の医療水準を維持できないとの懸念から、2024年4月の導入をめざして、それまでの猶予期間の間に徐々に改善していく方針を取っています。
産婦人科医においては、分娩は昼夜を問わずいつあるかわからず、勤務時間以外でも待機が必要となりますが、この待機時間がすべて時間外労働とみなされます。現状の新潟県内の分娩を扱う病院の産婦人科医の人数で、新たな時間外労働の上限規制を守るとすると、県内で分娩できる病院は10病院以下となってしまいます。上越地区においては、分娩できる病院は1つとなる計算で、県立中央病院か上越総合病院のどちらかに集約するか、新たに分娩できる病院を1つ作り、そこに分娩を集めるか、ということになってしまいます。お産の数は年々減ってはいますが、2024年、すなわちあと4年の間にそんなことが可能でしょうか。とにかく今、産婦人科医も働き方改革実現をめざして、行政とともに、我々産婦人科医にとっても、そして、分娩されるみなさんにとっても、最もよい方法を模索しているところです。

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